カテゴリー別アーカイブ: Q&A

潜在意識の下に身体があるのはなぜ?

Q)心のトリセツ研究所の説明図で潜在意識の下に身体があるのはなぜですか?

3つの柱

顕在意識の下に膨大な潜在意識がある図は有名ですね。なぜその下に身体を書いてあるのか?それは刺激とエネルギーが身体を伝わって心に入り、そして身体を使って外に出ていくからです。

具体的に図を使って説明します。
左下から上に上がり右にうつって右下へと物語は展開します。

☆潜在意識と顕在意識 3

<例1>メールの返事がすぐに返ってこないという例を考えます。

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左下の現実は
「メールの返事が来ない」

身体
「携帯を見て返事が来ないことを確認」

潜在意識の自己肯定感が弱い
「あるがままの自分は他人に受け入れてもらえないだろう」

思考
「嫌われたのかもしれない・きっと嫌われたんだ」

感情
「不安・悲しみ」

潜在意識
「やはり自分は他人に受け入れてもらえない」を上書き、強化

身体
「動悸や胃の痛み・エネルギーの低下」という反応

外界
「私のことが嫌いになったのね」発言や
「彼氏の携帯をチェックする」行動などをへて
「本当に嫌われる」という破局を迎える

<例2>友人がしてきたマフラーが昔大好きだった人のマフラーに似ていて知らず知らずのうちに気分が高揚したという例です。

雪だるま

例)
現実:
「友人が縞模様のマフラーをしてきた」

身体:
「縞模様のマフラーを見た」

潜在意識:
「憧れの先輩も似たマフラーをしていた。ただしその記憶は表面化しない」

思考:
「かっこいいマフラーだな」

感情:
「うきうき」

身体:
「高揚感→心拍上昇、皮膚の血行改善」

言動:
「そのマフラーいいわね♪」

外界、現実
「会話がもりあがる」

<例3>
その昔、子供のころに犬にかまれて痛い思いをして、いまだに小さな犬も怖いと言う人を考えてみます。

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現実・外界
「小さな犬が目の前にいる」

身体
「小さな犬を見た」

潜在意識
「犬は怖いものである」という信念や弱い自己肯定感

思考
「かまれるんじゃないかな」

感情
「恐怖」

潜在意識
「やっぱり犬は怖い」という暗示の上書き・強化

身体
「緊張」

言動
「逃げる!」

外界、現実
「不安感が犬にも伝わって吠えられる!」

 

というわけで、刺激とエネルギーは
外界の現実→身体→潜在意識→顕在意識→潜在意識→顕在意識→身体→外界の順に流れているのです。

3つの柱

 

肉体的な苦痛とマインドフルネス

Q)
痛いとき、寒いときなどにマインドフルネスはどのように効果がありますか?痛みや寒さは消えますか?

A)
痛いとき、寒いときにマインド[レス]に「さむい!」といえば言葉が心に影響して心理的なつらさが加わり、よけいにつらくなります。

マインドフルに「私は痛みにとらわれていた」「私は寒いと感じている」と客観視すれば心理的に倍加されたつらさがそぎ落とされて、純粋に肉体的な「寒さ」「痛み」にもどります。

痛みや寒さは消えません。それは肉体を維持するために必要なものなので消してしまっては大変です。虫歯が進行したり、寒さ対策を怠って風邪をひいたりします。痛みの原因を精査することはとても重要なことですね。

雑念をマインドフルに観てもおさまらない

Q)マインドフルに観ていると思考が小さくなっていき、やがて気にならなくなるはずなのになくなりません。特に仕事の段取りのことを考えていると思考が枝分かれしたり同じことを何度も考えてしまいます。

A)マインドフルに観ていると雑念が小さくなっていき、やがて気にならなくなるのは
1)「今、ここ」で必要のない心配事を、
2)うわのそらモードで考え続けている時にマインドフルになったら消えていくということです。

この場合は仕事のことを「考え続けている」のだから消えていきません。おそらく最初はマインドフルに考えているつもりでもいつのまにかうわのそらモード(mindless)に戻ってしまっているのでしょう。

マインドフルに考え続けるのはとても難しいことで、たとえとても大切なことであっても、思考を続けるとたいていはmindless(うわのそらモード)に陥ってしまいます。それを防いでマインドフルに思考するコツがいくつかあります。
1)額に手を当ててマインドフルネスを強化する。(おでこ手当法)
2)思考の道筋を紙に書く(もしくはPCなどに記録する)
無限循環型や枝分かれ型でまとまりがなくなるのが防げます
3)思考のおわりに「と考えた」とつける
例『朝一でまずAをして…』と考えた。
これで客観視ができることがあります。

お試しください

3秒ルールではネガティブ思考に気付いたら喜ぶのはなぜですか?


3秒ルールではネガティブ思考に気付いたら喜ぶのはなぜですか?


3秒ルールとはこれです。
1☆ネガティブ思考に気付いたら、
2☆3秒以内に
3☆喜びながら
4☆マインドフルネスを確認する

この中でマインドフルネスは「1☆ネガティブ思考に気付く」の部分です。本来はここでマインドフルネスは完了していますが、油断するとすぐにうわのそらモード(mindless)にもどってネガティブ思考を繰り返すことになりがちです。そこでマインドフルネスになったことを意識的に再確認することでマインドフルネスを強化し、維持する目的でなるべく早く(3秒以内に)再確認するのです。

そのさい、ネガティブに「しまった、またネガティブにかんがえてしまった!」と確認すると、自己嫌悪とか失望感など別の種類のネガティブ思考にのめりこんでしまうことが多いのです。

そこで心のトリセツ研究所では、あえて<喜びながら・再確認>をお勧めしています。前述したように、マインドフルネスは1☆ネガティブ思考に気付いたというところであり、それ以下はマインドフルネス体験を強化し、維持する役目をもつものであって、自転車の練習で言えば補助輪のようなものです。

自転車に乗れるようになったら補助輪をはずすのが自然です。マインドフルネスに熟達すれば3秒ルール自体が不要になります。それまではご活用ください。

なお、ネガティブ思考の内容自体をポジティブに考えるといういわゆるポジティブ思考ではなく、マインドフルネスというとてもすばらしい瞬間を得られたという点を喜ぶようにしてください。

不安が消えません!


マインドフルネスでも不安は消えません
いったん消えてもすぐに戻ってきます

マインドフルネスはネガティブ思考を消すためのものではありません。マインドフルネスとは「今、ここ」の現実にリアルタイムかつ客観的に気付くことです。

つまり、「今、ここ」で自分がネガティブ思考をしていると気づくのがマインドフルネスです。

その結果、1歩引いた冷静な立場から客観的に観れるので「今、ここ」では必要のないネガティブ思考なら消えていくでしょう。

たとえば、明日のプレゼンが心配だとくよくよしている場合、十分に準備がしてあるならばその心配は軽くなるでしょう。その結果、明日にそなえて早く寝るのが得策です。

しかし、もしも準備が不十分なら?大丈夫だろうと自分に言い聞かせて寝たとしても、おそらく心配が舞い戻ってきて眠れないでしょう。

その時に必要なのは、たぶん大丈夫だろうと自分をごまかすことではなく、もう1度プレゼンの資料を見直すことです。

マインドフルネスで冷静になったら、問題を解決するための知恵がわいてきます。それがマインドフルネスの効用です。

うわの空モードなら?

クヨクヨするばかりで眠れないまま夜が明けてしまい、大失敗してしまうかも!

 別の例です。

目の前に牙をむいたオオカミがいて怖い。1歩も動けない!という例を考えてみます。

そんな時にマインドフルネスで恐怖が消え、その場にい続けたら、おそらく痛い目にあうでしょうね。

この場合はとっとと逃げるのが得策です。もしくは勇敢に戦うかです。

オオカミなんて非現実的ですか?では、ハラスメントの加害者に置き換えましょう。

うわのそらモードなら恐怖にとらわれて固まってしまいます。

マインドフルネスがその時に必要な選択肢を選ぶチャンスを提供してくれるでしょう。

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その場を離れるのか?

勇気をもって立ち向かうのか?

もう1つ、自己肯定感が弱いと、うわのそらモードになればすぐにネガティブ思考が舞い戻ってきます。だから自己肯定感を強化する取り組みが大切なのです。

Q)マントラを唱えることはマインドフルネスのトレーニングになるか?

Q)マントラを唱えることはマインドフルネスのトレーニングになるか?

A)理論上、ほとんどすべての行動はマインドフルネスのエクササイズとして活用できます。行為に集中し、なおかつそこで出てくる雑念に気づき、手放し、マインドフルに行為に戻ることでマインドフルネスを鍛えます。たとえば雑巾がけや庭掃除でさえもマインドフルに行えばマインドフルネスを鍛えます。となると、マインドフルにマントラを唱えればマインドフルネスのエクササイズになるということです。

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一方、マントラ瞑想ではマントラ(オームなどのことば)に集中することで、それ以外の思考を消し去ることが主眼になります。その過程で集中力がまし、結果的にマインドフルネスが高まる可能性はあります。

ただ、マントラを唱え続けることによって意識レベルが下がってぼうっとなったり、また意識変容状態、すなわちトランス状態や法悦状態になることもあるでしょう。トランス状態は通常とは異なった意識状態、つまり変性意識状態の一種で入神状態と呼ばれることも、脱魂状態や恍惚状態と呼ばれることもあります。マインドフルネスとは「今、ここ」の気づきであり、明確な意識を保っている状態ですから、トランス状態とは全く異なるものです。

マントラを唱えつつ、明晰な意識を保ち、マインドフルネスであり続けることは可能かもしれませんが、難易度が高いのでこの講座では扱わないことにします。

なお、ハッピー・リズメーションは意識をマインドフルに保つ仕掛けがしてありますのでマインドフルネスのエクササイズとしても活用可能です。

マインドフルネスとは何かに集中していることですか?

Q)マインドフルネスとは何か(たとえば料理や瞑想)に集中していることですか?

A)マインドフルネスとは何かに集中していることではありません。何かに集中しているときに、自分が集中していることに気付いていることです。

何かに集中しているときは集中していると知り、集中できないなら集中できていないと気付いているならマインドフルネスです。

たとえば、料理をしているなら「自分は今、料理をしていると気付いている」ことです。一見、あたりまえの事のようですが、上の空モードになると、考え事に気を取られて鍋が噴きこぼれたり、指を切ったりします。

たとえば、運転をしているなら「自分は今、運転をしていると気付いている」ことです。一見、あたりまえの事のようですが、上の空モードになると、考え事に気を取られて気づいたら目的地についていたり、携帯に気を取られて事故を起こしたりします。

「自分は今、料理をしている」「自分は今、運転をしている」と言語化できるなら、かなり高い確率でマインドフルネスです。

集中できていてもマインドフルネスではないということもあります。一心不乱に勉強していて、ふと我に帰ると2時間もたっていたという状況を考えてみれば、集中はしていても集中して勉強していることには気付いていなかったのでマインドフルネスではなかったといえます。

集中は瞑想のとても大切な側面ですが、それだけではマインドフルネスではありません。自分が何かに集中していることを知っている(何に集中しているか言語化できる)かどうかがマインドフルネスの目安になります。集中して瞑想していてもマインドフルネスではないということもあります。
cat zazen

Q)マインドフルネスで怒りが収まらない時

Q)自分が怒っているとわかっているのに怒りが収まらないことがあります。「私は今、怒ってた」と言っても怒りがおさまらない時はどうしたらいいですか?
怒り 猫
A)まず最初に、マインドフルネスは怒りを手放すためのものではありません。あるがままの現実を理解することです。理解した結果、怒りを手放すという決意をすることもあれば、マインドフルネスの結果として勝手に怒りが静まることもあります。そして、いったんマインドフルになったにもかかわらず、怒りがおさまらないのならば、それもまたあるがままの現実であり、怒りがおさまらないという現実自体もまた、マインドフルに理解する対象なのです。だから、この時点での気づきと理解は「マインドフルになったけどわたしは怒りがおさまらなかった」ということになります。とはいえ、せっかくのご質問ですからさらに分析的に考えてみます。

マインドフルネスでも怒りが収まらない時は次の可能性を考えてみましょう。
1)怒りが一次感情ではないとき
2)怒りを手放したくないとき
3)正当な怒りだと思っているとき
4)怒りの快感にはまってしまう
5)自己嫌悪に進んでいる
6)客観視が不十分なとき

1)怒りが一次感情ではないとき
運転中に割り込まれていらいらした!そこで「自分は今、イライラしていた」と言ってみたが怒りが収まらない。という例で考えてみます。
割り込まれた→怒りと反応が進む前に、別の一次感情が入っている可能性があります。
たとえば、
<例1>
割り込まれた
→あぶない!(恐怖=一次感情)
→危ないじゃないか!どこ見てるんだ!!(怒り=2次感情)

<例2>
割り込まれた
→わたしはいつも踏みつけにされるんだ…(かなしみ=一次感情)
→もう許さないんだから!(怒り=2次感情)

こんな時は怒りの前の段階の恐怖や悲しみに焦点をあててみると上手くいくことがあります。私はやや大げさに(時にコミカルに)「おお!びっくりした!こわいじゃあないか!!」と言ってみることにしています。意外なほど怒りは立ち消えになります。慣れてくると割り込まれた瞬間に恐怖の段階でマインドフルネスとなり「おおこわっ!」と言って終わりにできます。

2)怒りを手放したくないとき
話をさえぎられて、言いたいことを最後までいえずに怒りを感じた。という例で考えてみます。自己肯定感が強い人ならば「最後まで言わせて下さいね」とアサーティブに言えるかもしれませんが、自己肯定感が弱かったり立場が弱かったりして言いたいことが言えず、不満がたまっていきます。たまった不満はある時、「怒り」という感情の力を借りて噴出します。「まって!最後まで言わせて頂戴!!」このような時には、一時期マインドフルネスになったとしても怒りを手放したくないかもしれません。自己を主張するためには怒りのエネルギーが必要だからです。このような場合はマインドフルネスも大切ですが、自己肯定感を強化する取り組みもまた必要です。自己肯定感のくわしい強化法は別の記事に譲りますが、ひとつのヒントとして、小さなところから自己主張していくというのはどうでしょう。不満を貯めないというよりも、小さな不満を言うことで「自分の意見は聴いてもらえるんだ」という体験を重ねることが自己肯定感を強めるのです。

3)正当な怒りだと思っているとき
自分のために怒ることがよろしくないというビリーフ(思い込み)がある人は、世のため他人のためになら怒ることができます。それは崇高な正義だと思えるからです。マインドフルネスになったときに、どのレベルまで洞察が深まるか?「自分は怒っていた」と知るのか「自分のことではなく正義のことだから怒れたのだ」と気づくのかによっても怒りを手放せるかどうかが左右されそうです。

また、前項のように自己肯定感が弱い人も、自分のためだと怒れないが人のためなら怒れるという場合があります。レストランやお店など、自分が客として強い立場にいることができる時や部下など自分が優位な立場にいるときだけ態度が大きくなったり言いたいことが言えるという人(パワハラ、モラハラ)はこのタイプの可能性があります。この場合はやはりマインドフルネス以外にも、行動療法的に「自分より強い人に勇気を出して少しずつ意見を言う」といった取り組みが有効です。

4)怒りの快感にはまってしまう
怒りは二次感情、一次感情は悲しみや恐れのことが多いのですが、悲しみや恐れを感じている時、自分がちっぽけでつまらない存在に思えてしまいます。無力で現実を切り開くことができないように感じます。それに比べて怒りは強力です。怒っている人の前では恐怖を感じ、萎縮する人もいるでしょう。それはとても快感です。快感あるところに依存アリです。ただしその快感は一時的なものであり、現実の人間関係を破壊してしまうという副作用があります。だから怒りのあとは自己嫌悪に陥るのです。「もう二度と怒りをぶつけないようにしよう!」そう尊い決意をするのです。

怒り(のもたらす快感)にマインドフルネスの光がきちんと当たったときにどうするか?そしてその選択肢はマインドフルネスでなければ手にすることはできません。はたしてどのような選択肢が出てくるのでしょう?

5)怒りから自己嫌悪に進んでいる
もう二度と怒らないぞ!と決意しても、気づいたらまた怒っていた!「ホント私ってダメね」と感じている時のリアルタイムの感情は怒りではなく自己嫌悪です。怒りと感情に名前を付けてもうまくいかないでしょう。

6)別の怒りや失望感へ
マインドフルネスで怒りが鎮まるはずなのに全然おさまらない時に。インチキだと別の怒りが出たり、「がっかりした!」と失望したりしているとしたら、リアルタイムの感情は別の怒り、失望感などに移ってしまっています。そこにフォーカスして観ましょう。

7)客観視が不十分なとき
最後は単純な例です。「怒り、怒り、怒り」「私は怒っていた」「私は怒っていた」「私は怒っていた」と言うときに、すでに上の空モードに戻っていた可能性があります。気づきを言語化(3秒ルール:サティ)してもおさまらない時は同じ言葉を連呼するとうわの空モードに戻る傾向があります。その時は別の気づきが必要です。たとえば、「怒り」でだめなら「イラダチ」と変えてみましょう。またもっと踏み込んでその時に何を感じているか内面を探ってみることも有効です。すると「許してやるものか!」と思っている自分に気づき、客観的な対象化が進むことがあります。
怒り 猫 - コピー2

Q)呼吸法をしていると感じることを忘れてしまう

Q)呼吸法をしていると、「膨らんだ、へこんだ」と心の中で言うことに意識がいってしまうのか、 感じることを忘れてしまうことがよくあります…。

A)そうなんです!膨らんだ、へこんだ、カウントがともするとたんなる号令になってしまいます。するとカウントがわからなくなります。わからなくなったら今を感じることに意識を向けるようにしてくださいね。

Q)呼吸法をすると嫌になるくらい雑念が入ってきます

呼吸法をすると嫌になるくらい雑念が入ってきます。

マインドフルネスの練習で呼吸法などのエクササイズをすると、今までうわの空モードでで気づいていなかった雑念に気づくようになります。これまでは気づかなかった雑念に気づくようになっただけであり、雑念が増えているのではありません。むしろ良い傾向であり、マインドフルネスの練習がいい方向に来ています。

私は起きている時間はほとんどうわのそらモードであり、マインドフルネスでいられるのはせいぜい10分ぐらいだと思っています。うわのそらモードでは多くの場合ネガティブ思考しがちです。気づいてみたらネガティブだらけでマインドフルネスをはじめて落ち込む人もいます。そこで心のトリセツ流では雑念に気づいたらあえて「喜べ」と言っています。雑念に気づいたこと、マインドフルネスになったことを喜ぶのです。