先日、ある人から聞いた話です。
その方はその昔、他人の振舞を見て、とてもイライラされる方でした。たとえばドアを開けっ放しにしているのをみては、「なぜきちんとしめないのか!」とイライラしてわざとドアをバタンと閉めたりすることもあったとか。
そんな彼が取り組んだのは、「自分に微笑みかける」というエクササイズでした。ドアを開けっ放しにしているのを見てイライラしている自分に微笑みかける。イライラさせた相手ではなくイライラしてしまった自分に微笑みかけるのですね。まずイライラしてしまった自分を許すんです。
「汝の敵を愛せ」とキリスト様は言われました。そんなことは誰でも知っています。しかし知識で知っていても、頭でわかってはいても実際にはとても難しいでしょう。
「イライラさせたあいつ」を愛するのはとても難しいことです。「許してやろう…」と頭で考え、「許してやる」と口で言えても、それはたんに我慢しただけで、心の中には怒りが残りそうです。
まずはイライラしてしまった自分を癒す。そのために自分に微笑みかけるんですね。そして心が穏やかになった時に初めて相手を許すこと、愛することを始める扉の前に立てるのだと思います。
マインドフルネス瞑想の前に「慈悲の瞑想」を唱えることをお勧めしています。その慈悲の瞑想はまず自分が幸せであることを祈ります。そのあとは自分の親しい人たち、生きとし生けるものの幸せを祈ります。自分が嫌いな人の幸せを祈るのはそのあとなのです。
自分が幸せだから、ほかの人の幸せを祈れるのです。そのためにまず怒ってしまった自分を許し、癒すために自分自身に微笑みかける。
とてもすばらしいお話を聴くことができました。ありがとうございました。
慈悲の瞑想はこちら
http://xn--u9j9h1ao4on18y.com/?p=111