「師匠、マインドフルネスって何ですか?「今、ここ」の現実に気付いていることとか、あるがままの世界を感じるとかいわれてもピンときません」
『そうじゃなあ。マインドフルネスをわかりやすく言うなら…』
「わかりやすく言うなら?」
『桃を拾わないおばあさんじゃな』
「んっ?なんですかそれ?」
『こんな話を知っとるか?昔々あるところにおじいさんとおばあさんが…』
「桃太郎じゃないですか?」
『おおっ!さすがに知っておったか。もうわかったじゃろ?』
「師匠!おばあさんが川で桃を拾ったから桃太郎が生まれたんでしょ?拾わなかったら鬼退治できないじゃないですか!」
『ふぉ、ふぉ、ふぉ♪昔話のままの話ではないんじゃ。めたふぁーじゃよ』
「じゃあ、桃は何です?」
『川を流れてくる桃は思考じゃ。上流から桃が流れてくる。その思考に執着して拾おうとすれば、桃にしがみついたままで下流にまで流されることになる』
『三休のように根がネガティブなものは、やがては思考は心配事や後悔、不満に発展してネガティブな現実を引き寄せるじゃろうな。桃に執着せずにじっと自分の思考を観察してみるんじゃ」
「す、すると?」
『あんなに大切だと思っていた思考にとらわれずにじっと観察しているとやがてきえてゆく』
「桃が下流に流されていくようにですか?それでどうなるんです?」